今治タオルの産地愛媛県はタオルメーカーが多い
今治タオルの産地愛媛県はタオルメーカーが多い
愛媛県は、高級ブランドで知られる今治タオルの産地です。今治タオル工業組合(2023年3月時点)に加盟しているのは80社あり、いずれも愛媛県内に製造拠点を構えており、ブランドタオルの品質向上を目指し続けています。ここで気になるのが品質をどうやって維持しているのかということです。80社も存在していれば、品質がばらばらになりブランド価値を落とす可能性があります。今治タオルはブランド価値を維持するために独自の品質基準として「5秒ルール」を設けています。水にタオル片を浮かべて5秒以内に沈む製品のみを出荷するという共通ルールがあり、これが品質維持に貢献していると言えるでしょう。また今治伝統の先晒し先染め技法も産地で共有されています。これは高縄山系を源流とする良質な軟水を利用して、綿に含まれる不純物を洗い流し綿の性能を引き出す大切な工程です。今治タオルの高い吸水性の理由であると同時に繊維質を柔らかくするため、良好な手触りを実現します。
時代のニーズに合わせて環境に優しいタオルを作る今治タオル
今治タオルでは、環境に優しいタオルづくりを推進しています。以前からタオルを生み出す自然に配慮し、自然保護活動に取り組んできました。現在でもその姿勢は変わらず、日本最大の産地として環境への負荷を抑えたタオルづくりに取り組んでいます。実際の工程ではどうしても端材が出てしまい、産地としての大きな課題となっていることは間違いありません。しかし、繊維産地の連携や共同での素材開発を推進しているクラボウと共同して、アップサイクルを推進することにより更なる循環型社会の実現を目指しています。今治タオルの産地で端材を回収し、クラボウが愛知県に所有する工場に搬入して、そこで作成されたアップサイクル原糸を用いて今治で再度アップサイクルアトルへと製織するという流れです。これで、通常なら廃棄されてしまう素材も商品に活かすことができ、資源ロスの削減をも推進することができます。企業のこうした思いが社会全体の意識を高めて、優れた取り組みを生み出していきます。